お知らせ・ブログ

歩く喜びを

まだ6月なのにこの暑さ。

毎年の事ではありますが、熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

こんにちは、受付の髙橋です。

 

今日は整形外科外来のご紹介です。

クリニックでは2019年からエルムス動物医療センターの高瀬 雅行 先生にお力を貸していただいています。

跛行(足を痛がり歩行に支障をきたす事)をきっかけに整形外来にかかられる方が多いのですが、歩き方をみたり、足を触ったりレントゲン写真を見ながら、どこが悪いのかを診断していきます。関節が悪いのか、靭帯が悪いのか…などです。

 

高瀬先生に来ていただくようになってから、クリニックでは『TPLO』という手術ができるようになりました。

これは後ろ足の膝の前十字靭帯損傷に対する治療法の一つです。前十字靭帯とは膝の周りにある骨と骨を結ぶゴムのような役割を果たしている組織なのですが、何らかの原因で伸びてしまったり、切れてしまったりする事があります。体重が重い大型犬の子などは発症しやすく、日常の負荷が積もって靭帯の劣化が起こってしまうのです。

ゴムのような役割をする靭帯が伸びることで、骨が上手く噛み合わなかったり、、すり減ったりして痛みを生じさせています。また、放置することで将来的に関節炎がひどくなり、元気に歩けなくなる可能性があります。

 

従来、クリニックでは人工靭帯を使用した治療法を取り入れていたのですが、人工靭帯が体内で馴染み、膝が安定するまでには時間がかかり長い安静期間が必要でした。また体重が重い子や元気な子では安定する前にまた緩んでしまう問題などもありました。

しかし、TPLOの最大のメリットは「術後翌日から歩かせることもできる。」というところにあります。それは、伸びてしまった靭帯ではなく、骨の角度を変え、しっかりとした固定を行うことですぐに膝が安定されるからなのだとか。

高瀬先生は、実際の患者さんのCTデータを元に、3Dプリンタで、手術予定の子の関節部の模型を作成してきてくださいます。それをもとに飼い主さんへの説明や、OPE班での情報共有がよりわかりやすくなります。

 

また、経過の観察もしっかりと行ってくれます。

マイカメラで歩行の様子などをしっかり、以前と比べてどうか?など長期的に見てくださるので、みなさん安心されています。(カメラがご趣味なんですって📸)

ヒメちゃんの歩行の様子を撮影していたのに、ヒメちゃんが可愛すぎて、ヒメちゃんの写真撮影会になってしまいました(苦笑)

実は、月2回で来ていただいている整形外来。

人間でもそうですが、痛みがある時と、ない時があったり、少し痛くても歩けない事はないからと我慢したりしがちです。

 

動物たちは、言葉で「痛い」とは言ってくれませんから、日頃の観察と少しの変化をしっかりと見極める飼い主さんの判断も必要です。

・足を上げている(地面につかない)

・歩く時の様子がおかしい

など、どんなささいなことでも教えてくださいね。

 

総合診療科で見極めた上で、どの専門の先生に見てもらうべきなのか判断しています。

また他の専門外来についてもお知らせしていきます。お楽しみに!!

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